2020年の10月1日に食品ロス削減法が施行され
ますます注目されるフードロス。
世界中で作られている食べ物のうち3分の1は捨てられています。
「まぁ腐っていたらしょうがないかなぁ」
「日本人は“もったいない”って残さず食べる人が多いから
関係ないでしょ」
とあなたは思ってるかもしれません。
でもまだ食べられるのにこの日本で捨てられている食べ物が
なんと年間で約632万トンもあるんです。
(平成28年度の農林水産環境省の推計)
毎日日本人ひとりあたりお茶碗1杯分のごはんを
捨てています。
米粒一つも残すな!と言われて育ったのに。
“もったいない”という言葉を生み出した
私たち日本人も自分たちがまさに
そのもったいないことをしてしまっているんです。
フードロスを削減しようと世界では
様々な取り組みがされていますが、
その中で最近よく聞く
「フードシェアリング」と「フードバンク」
どちらもフードロス削減を目的としたサービスですが、
あなたはこの2つの違いを知っていますか?
そこで今回は
「フードシェアリング」と「フードバンク」は何が違うのか?
それぞれの仕組みについて説明します。
フードシェアリングの仕組みは環境にもお財布にも優しい⁉
フードシェアは、簡単にいうと
“お店の廃棄される商品を割安価格で提供するサービス”
のことです。
例えばレストランでは、お客さんの注文に合わせて
料理を作りますが、当然注文されないメニューの材料も
準備しておかなくてはなりません。
だって注文されるかもしれませんからね。
同じように、お弁当屋さんやお総菜屋さんでも
陳列棚に1つだけ置いておくわけにはいかず
いくつかの商品を並べていますよね。
人気やその日の気候などによって、
例えば急に雨が降ってきたら寒くて
冷やしうどんが売れ残ったり
逆に暑くて鍋料理が売れなかったり…
なんてことが起こります。
こうして、どう頑張っても「売れ残り」や「材料の余剰」による
“フードロス”は発生してしまうことが多いのです。
そしてこのフードロスを普通に廃棄すると
お店の利益はゼロ
むしろ材料を購入して捨てるわけですからマイナスです。
そこで、登場したのがフードシェアリングサービス。
サービス会社がこういったフードロスに悩むお店と
安くておいしい物を食べたい!
という消費者をつなぐのがフードシェアリングサービスです。
フードシェアリングサービスには2つのタイプがあります。
①ネット通販型(「Otameshi」「KURADASHI.jp」など)
②店舗訪問型(「TABETE」「ReduceGO
)
この2つです。
ネット通販型のほうは、ネットスーパーや出前のようなイメージです。
ねっとでほしい物を選んで購入すると、自宅やオフィスなど
指定した場所に食べ物を運んでくれます。
ただ、注意したいのは鮮度です。
もともと廃棄されるほど、賞味期限がぎりぎりのものが多いので、
到着したら早めに食べるようにしてください。
一方、店舗販売型のほうは、
商品をネットで注文するところまではネット通販型と同じ、
そこから、販売元の飲食店まで取りに行きます。
こちらも同じく賞味期限が近いものが多いので、
できるだけその日のうちに食べるようにしてください。
フードシェアリングサービスでは、
店舗訪問型のTABETEが有名でしょうか。
日本で初めてフードシェアリングサービスを始めたところです。
フードバンクの仕組みは必要なところに食品を集め配ること!
さて、フードシェアリングと似ているフードバンク
フードバンクも同じくフードロスをなくす取り組みであることは
変わりません。
では何が違うのか?
フードシェアリングは消費者と生産者の需要をつなぐ
ビジネスモデルのようなものでしたが、
フードバンクは、基本的に企業や家庭で余った食品を
福祉施設などに無償で提供し、
受け取った団体がその食品を必要としている人々に渡す
という形が一般的です。
簡単に言うと“食べ物の寄付”といったイメージです。
フードバンクで有名な団体はセカンドハーベストジャパンです。
公式HP→http://2hj.org/problem/foodbank/
ここが日本初のフードバンクです。
フードバンクでは、企業や店舗だけでなく
個人でも食品の寄付が可能です。
※ただし、賞味期限や鮮度、衛生面の問題で寄付できない食品もあります。
(お弁当類、食べ残しなど)
まとめ
フードシェアリングとフードバンクの違いをまとめると
以下のようになります。
【フードシェアリング】
飲食店などででる余分な食品(フードロス)を消費者に安く売る
このお互い“win-win”の関係をつなぐためのサービス。
そのため、ビジネスモデルとなっている社会貢献。
【フードバンク】
企業や小売店、家庭ででるフードロスを寄付してもらい
生活に困っている人などを支える団体や福祉施設に
集めた食品を配布するシステム。
そのため、ボランティア活動的なイメージの社会貢献。
どちらも目指すものは同じで、フードロスをなくすことです。
そして、提供する側のフードロスを有効活用して、
必要としている人にとって嬉しいものであるという点も同じです。
フードロスをなくすために私たちができることは、
まずは家庭で無駄な食材を買わないことは大前提として、
それでも余ってしまうものはフードバンクへ寄付。
総菜やお弁当などを買う前に少しフードシェアリングサービスで
今日食べたいものがないかのぞいてみるのもいいと思います。
お金で社会貢献!
ということはよく聞くかもしれないですが、
食べ物で社会貢献!!
という新しい取り組み。
世界でもずいぶん前から始まっていた取り組みなので、
これから日本でもどんどん広がっていくかもしれないですね。
ぜひ、考えてみてくださいね。